今帰仁方言音声データベース

品詞別索引:助動詞

語彙数:25

1.アビン(助動詞)丁寧の意をあらわす。ます、ございますにあたる。うンヂュ(あなた)に対して用い、ナー(あなた)には用いない。もともと動詞の連用形に付いたが、現在では、丁寧語幹につくと説明した方がよい。丁寧語幹との接続については動詞の活用表{27}丁寧を見よ。形容詞は連用形に‐ビンが付く。規1カa・規1カb・規1カc・規1タa・規1タb・規2B・不規則変化にはちャ(ー)ビンと付き、規1サa・規1サb・規1サc・不規則変化にはサービンと付き、規1ガにはヂャービン、規1ラa・規1ラb・規3ラa・規3ラa'・規3ラb・規3ラb'・規4E・規5A・規5B・規5C・規5D・規5E・準規A・準規Cにはヤ(ー)ビン、規2Dにはやービン、規1ナにはナービン、規2E・規4Dにはミャービン、規2Fにはぴャービン、規4A・規4B・規4Cにはビャービンと付く。また、「あります」「おります」は、あイン、ウイビン、「であります」は、エーンという。ハちュン(書く)に付けて示す。
2.ウースン(助動詞)<おほす。…することができる。動詞連用形について可能をあらわす。
3.エン(助動詞)である。だ。指定の助動詞。'ja'ju'iN(は+あり+をり)>'ja'iN>'eeN>'eN。指定の助動詞は、語幹エ‐をもつ語とヤ‐をもつ語が並存している。巻末活用表参照。また、あン(有る)の未然形+ヌ(否定)の形あラーヌ(そうではない)が指定に用いられる。
4.ギセン(助動詞)…しそうである。…するらしい。活用語の連用形に付いて、形容詞型活用をする。…しそうであるの意のときは、形容詞および形容詞型活用の助動詞の名詞形・連用形にも付く。
5.グテーン(助動詞)<如くあり。ごとし。ようだ。ようである。
6.シミールン(助動詞)させる。使役の助動詞。動詞未然形に付く。
7.スン(助動詞)せる。させる。動詞未然形に付いて使役をあらわす。
8.タイ(助動詞)たり。並列をあらわす。完了の助動詞‐たンの連用形てーの変化しない前の形。接続する語により、ちャイ、ヂャイ、ダイともなる。
9.ダイ(助動詞)たり。並列の助動詞。
10.タン(助動詞)…した。完了の助動詞「たり」であるが、動詞の活用形{24}過去1となり二次の活用をする(「活用形と用例」[1]参照)。前に接続する動詞の種類によって、ちャン、ヂャン、ダンとも変化する。カ行四段系、サ行四段系、タ行四段系、上一段系ちュン(着る)、ミュン(見る)、ぴュン(放る)、ぴュン(乾る)、ぴュン(嚔(ひ)る)、ユン(座る)に付くばあいは、ハッちャン(書いた)、プッちャン(干した)、タッちャン(立った)、ヒちャン(着た)、ミッちャン(見た)、ぴッちャン(放った)、ぴッちャン(乾た)、ぴッちャン(嚔た〈かんだ〉)というように「ちャン」に、ガ行四段系、カ行四段系のヒちュン(行く)に付くばあいは、ヂャン(漕いだ)、いヂャン(行った)のように「ヂャン」に、バ行四段系、マ行四段系に付くと、トゥダン(飛んだ)、ダン(読んだ)のように「ダン」に、その他のラ行四段系、ハ行四段系、上一段系のいン(射る)、下一段系のキン(蹴る)、上二段系、下二段系に付くばあいは、あガーたン(上がった)、うヤーマたン(敬った)、いッたン(射った)、キッたン(蹴った)、フきン(起きた)、タシたン(助けた)というように「たン」になる。‐たンはさらに、動詞の活用形{21}継続過去1となり、二次の活用をする。次に前述の{24}および{21}の活用をハちュン(書く)に付けて示す。
11.テー(助動詞)…たい。他の活用形はなく、つぎの語のみに用いられる。あイームン(ありたいもの)。
12.デン(助動詞)である。だ。指定の助動詞。deeru<du+a'iru(ぞ+ありをり)。「ぞ」の結び形deeruから類推して、終止形deNができたであろう。言い切りにはンを用い、デンは終助詞を付けてのみ用いるが、問い返しにはそのまま用いられる。
13.(助動詞)ない。打消の「ぬ」。動詞未然形に付いて打消をあらわす。
14.ビチー(助動詞)べき。動詞の連用形に付いて義務、当然の意をあらわす。
15.ブセン(助動詞)<ほし。…したい。願望をあらわす。動詞の連用形、助動詞の可能うースン、受身リン(ラリン)、使役スン(ラスン)、シミルンの連用形に付く。
16.ミセン(助動詞)<召しあり。…なさる。動詞の連用形に付いて尊敬の意をあらわす。ンセンともいうが、ミセンより敬意がかるい。
17.ミソールン(助動詞)[2]…なさる。動詞の連用形について尊敬の意をあらわす。ンソールンともいうがミソールンよりやや尊敬の念が弱い。代名詞うンヂュ(あなた)に照応して用いられる。
18.ヤラー(助動詞)だ。である。指定の助動詞の未然形。不完全な活用で終止形がない。'jara<'ja ara(「は+あら」か)。
19.ラスン(助動詞)させる。使役の助動詞。不規則変化動詞スン(来る)だけに付く。
20.ラリン(助動詞)られる。可能の助動詞。スン(来る)の未然形フーに付く。他の動詞は未然形にリンが付いて、受身・自然・可能をあらわす。
21.リン(助動詞)受身・自然・可能をあらわす。尊敬の意はない。標準語の受身の形「れる」に相当する。動詞未然形に付く。動詞スン(来る)にはラリンが付く。‐たン(<たり。過去をあらわす)がつくときは促音になる。
22.(助動詞)〈1〉ぬ。打消の助動詞。ヌともいう。(イ)動詞の未然形に付く。(ロ)形容詞の副詞形にはNneenuとなって付く。〈2〉形容詞のように副詞的に用いられる。〈3〉形容詞のように理由をあらわす。
23.ンセン(助動詞)動詞連用形に付いて尊敬の意をあらわす。ミセンよりやや敬意がかるい。NseN<miseN。代名詞ナー(あなた)と照応して用いられる。ウンヂュ(あなた)に対してはミセンを用いる。
24.ンソールン(助動詞)なさる。動詞の連用形に付いて尊敬の意をあらわす。NsooruN<misooruN<mesioWaru(召しおわる)。ミソールンよりはやや敬度がひくい。代名詞ナー(あなた)と照応して用いられる。
25.ンナ(助動詞)…ずに。未然形に付く。‐aana<‐aNna。

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